Taï Phong: 静寂をぶち破るサムライプログレ第一弾。先見の明によるハードなプログレロック!
こんにちは、ギタリストの関口です。本日もプログレ紹介やっていきます。
Taï Phong(恐るべき静寂) / Taï Phong
Taï Phong(タイ・フォン)は、1972年に結成されたフランスのプログレッシヴ・ロックバンド。バンド発足の首謀核カーン・マイ (Khanh Maï)とタイ・シン (Taï Sinh)はベトナム出身。
オリジナルメンバー
- カーン・マイ (Khanh Maï) – ボーカル、ギター
- タイ・シン (Taï Sinh) – ボーカル、ベース、ギター、シンセサイザー
- ジャン・ジャック・ゴールドマン (Jean-Jacques Goldman) – ボーカル、ギター、ヴァイオリン
- ジャン・アラン・ガルド (Jean-Alain Gardet) – ピアノ、オルガン、シンセサイザー
- ステファン・コーサリュー (Stéphan Caussarieu) – ドラムス、パーカッション
時代背景
Taï Phongは1975年にセルフタイトルの「Taï Phong(恐るべき静寂)」でデビューしました。侍を意識したような線画のジャケットが特徴的。75年といえばプログレとしてはまさに膨らみきった風船といった時代で、今まさにプログレッシヴ・ロックを刃で破裂へ追い込もうとパンク・ロックの波がさざめき出した頃です。
80年代にも通ずるハードなプログレ
彼らについてすごく好印象に思えるのは、当時無敵とも言えそうなプログレ時代の盛り。新たに登場するバンドはどれも五大プログレバンドと、それらに乗っ取った二世たちによるデフォルメされたロックでした。つまり「これをやればヒットする」というprogressiveという言葉とは相反する音楽事情がそこにはありました。
Taï Phongは果敢にもそこへ、後のハードロックやヘヴィメタルに通ずる楽曲アプローチで切り込んで行ったのです。
音楽性
ハイトーンボイスとエモーショナルなメロディ、叙情に溢れる演奏などはRushを予言していたかのようで本当に75年作なのかと耳を疑うほどのクオリティ。
かと思えばYesを彷彿とさせるオルガンとギターによるテクニカルな構築プログレ、ハードサウンドとポップなメロディで後のプログレの礎を築きました。ソロなんかもしっかり抑えていてプログレというざっくりな音楽を理解するならここもマストと言えます。
#1の「Goin’ Away」はまさに象徴的な楽曲で表情豊かかつドラマティックに展開するハードプログレに仕上がっています。
現在のTaï Phong
Taï Phongは3rdアルバムリリース後の80年に解散、2000年に再結成を果たし00年、13年とアルバムをリリース。ここでも「戦士」や「サムライ」と言ったワードが飛び出します。14年には日本公演を果たしライブアルバム・DVDをリリース。
ベトナム出身のフランスプログレ「タイ・フォン」はとても日本贔屓でした。