Sourthern Empire「Civilisation」: 広いバックグラウンドで築く!豪州プログレ帝国のストーリー
by 関口竜太 · 2019-02-13
おはようございます、ギタリストの関口です。
自宅には小さな防音室を備えてあるのですが、そこでは普段アコギを録音したり、また仮歌を録りたいというボーカリストさんに有償で貸し出したり。
サポートライブが終わって4月末のM3に向けて作曲モードに入った僕はこんな感じで引きこもり体制を取っております。スタジオ七変化です。
広い部屋でデュアルモニターを使って楽曲製作も憧れますがバンドのようにセッションして曲を作るという形を取らない以上、資料以外の無駄な情報は気が散るので自分で抑制します。まぁたまに気分転換できるよう本なんか持ち込んでますが。
Civilisation / Southern Empire
Southern Empireは、オーストラリアのプログレッシヴ・ロックバンド。2015年デビューの新鋭ロックバンドです!
ニッチな豪州プログレ
AC/DCで有名なオーストラリアにも少なからず人気のプログレバンドはありますが、オセアニア・プログレというのはプログレの中でもニッチな地域です(代表するバンドにはSebastian Hardie、Caligula’s Horseなど)。
その中でUnitopiaという現代豪州プログレの“親善大使”的存在が解散したのが2014年。そこからキーボディストSean Timmsは新バンド発足の流れに踏み切りました。
暖かなサウンドのメロハード豪プログレ、Unitopiaと休日を過ごす。
ほぼ同時期に元UnitopiaのボーカルであったMark Trueackが同じ元Unitopiaメンバーとヨーロッパからメンバーを集めUnited Progressive Fraternityを結成、「マークとは違ったものを作りたかった」と語るシーンはオーストラリアの実力者たちでSouthern Empireを結成したのです。
メンバー
- Danny Lopresto – Lead Vocals / Guitar
- Cam Blokland – Guitar / Vocals
- Brody Green – Drums / Vocals
- Jez Martin – Bass / Vocals
- Sean Timms – Keyboards / Vocals / Saxophone / Lap Steel Guitar
幅広いバックグラウンドを持つ大作志向バンド
個人的にキーボディストというのは他の演奏者に比べ、そのバックグラウンドが広かったりアプローチが多彩なイメージがあります。もちろん偏見以外の何者でもないのですがことプログレにおいては様々な音色を使いこなすマジシャンです。プログレ自体メロトロンやシンセサイザーなどの最新楽器を時代時代で取り入れていった結果の音楽なのでそう受け取られるのも無理はないと思いますが。
しかしその想像も具現化し核心に変わってしまうほどバンドの音楽性は幅広いです。
アルバムは全4曲ながら30分近い長尺を抱え込む大作ぶり。その中で際立つのは北欧のような分厚いコーラスワーク、トップテンションではヘヴィメタルも垣間見える壮大なシンフォニック・ロック。歌のメロディは80年代BostonやJourneyなどアメリカン・プログレ・ハードとも取れるキャッチーなそれです。
ストーリー性を感じさせる曲展開はキーボディストのシーンによるプロデュースで、ケルト音楽やジャズまでも吸収して出し惜しみをしない姿勢がなんとも痛快です。子どもの頃Yesで音楽に目覚めた彼はもちろんプログレの大ファン。Genesis、Neal Morse、 The Flower Kings、Marillion、Big Big Train、Porcupine Treeなど人気ミュージシャンをフェイバリットに挙げています。
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関口竜太
東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。
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