「言葉にできるは武器になる」。自分の言葉と向き合う機会を得る本。
おはようございます、ギタリストの関口です!
梅田悟司著『「言葉にできる」は武器になる。』読み終わりました!著者は株式会社電通のコピーライター。
生活をしていく上での言葉を単なるコミュニケーションツールとしてでなく、人に気持ちや意図を伝えるための手段として再認識できる本でした。
「内なる言葉」と「外に向かう言葉」
常に出て来るテーマの一つが「内なる言葉」と「外に向かう言葉」。特に前者に関して色濃く書かれています。
人は口で言葉を発する前に必ず「内なる言葉」で気持ちを変換しています。または本を読んだり考え事をしているときも、自分の中でこの「内なる言葉」を発しているというもの。
これをまとめ上げ昇華しアウトプットしたものが「外に向かう言葉」であり「内」以上の言葉は「外」には出てきません。
言葉の解像度を上げる
その「内なる言葉」に幅と奥行きを持たせ言葉としての解像度を上げ、より人に伝わりやすく言葉の扱いを理解するのが本書の役割の一つです。
ここで言う幅とは知見や視野の広さであり、奥行きとは深みや重み、発せられた言葉に上乗せされる意味合いの濃さ。
近年、写真は元より音楽などあらゆる分野においても「解像度」という言葉を最近はよく使います。僕はギタリストですから、速いパッセージを弾くこともあるのですがテンポを遅くして聴いた時に見掛け倒しではなくしっかり粒立ち良く聴こえてくることに解像度を見たりします。または特定のコードに対するアプローチに情報の多さやその人のバックグラウンドを感じたりもするのでいい演奏というのは幅と奥行きもあるものです。
話は脱線しましたが、抽象的な「感情」から具体的な「言葉」へ、それも自分の内から発せられた真に意味のある言葉へたどり着く道筋が書かれています。
気持ちを言葉にするためのテクニック
感情から言葉へ変換するためのテクニックや考え方、習慣に至るまでが本書には記されています。
それは「頭に浮かんだことを常に書き出していく」だったり「物事を考える際立場や状況を変えてみる」だったり。普段、僕たちが何気なく使っているテクニックなのですが、明確な理論や裏付けがされていて、言葉の使い方も含め「日常の無意識」を意識させてくれる絶好の本でした。
また各項目で誰もが知っているキャッチコピーや偉人・有名人の名言と呼ばれる例も多く並ぶため単に理論や理屈で説明されるより納得が早いことでしょう。
個人的にはブログを書いている身として半ば答え合わせの感覚でスラスラと読んでいくことができましたが、新しい発見や改めて気付かされたことも多く非常に勉強させていただきました。
一言でグッと人心を掴むというのは誰しもの憧れだと思いますが、コピーライターやブロガーでなくとも、例えばミュージシャンでもYouTuberでもより簡潔に意図した内容をプレゼンするノウハウは必要です。全然難しい本ではないのでご自身の言葉を改めて見直したい方は是非読まれることをお勧めします。