プログレの親戚シンフォニック・ロックとは。ハンガリーの匠After Cryingと学ぶ。

こんにちは、ギタリストの関口です。

だいぶ前にシンフォニック・ロックの話をしまして「いずれ詳しく」と言ったきりかなり経ってしまっていることに気付き今日ご紹介するアルバムも含め書きたいと思います。

スウェーデンのKaipa。ツインボーカルプログレという“いたずらごころ”が心地いい!

シンフォニック・ロックとは


その名の通りSymphonic、クラシック音楽の交響曲(シンフォニー)の要素を楽曲に取り入れたロックです。

シンセサイザーやメロトロン、オーケストレーションを曲のアレンジに採用することで壮大かつ通常編成のロックとは一線を画したような密度の世界観を生み出すことが可能です。

第一人者ははっきりとわかっていませんが1966年にThe Who「Tommy」で提唱したロックオペラやメロトロンをいち早くバンドサウンドに取り入れたイングランドのMoody Blues(最盛期は1967年)などあります。

今あげたように通常のロックより発展させた形であることからプログレッシヴ・ロックとは親戚のようなニアリーイコールの関係です。重複するバンドは多くとも、シンフォニーをロックに取り込むという一点で必ずしもプログレとは言い切れないので明確に区分されます。

近年ではJ-ROCKでも壮大な楽曲が多くオーケストラとコラボするアーティストもいるくらいですので旋律や音の美しさから一般的に浸透しやすくプログレの近縁の中でも十分な市民権を得たと言えそうです。

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そんな中、本日ご紹介するのはこちら!

After Crying / 6(シックス)

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After Cryingは、ハンガリーのシンフォニック・ロックバンド。結成は86年で現在もライブをメインに活動しています。

メンバー(「6(シックス)」発表当時)


Egervári Gábor –  Flute, Voice

Görgényi Tamás – Vocal

Pejtesik Péter – Bass, Cello, Synthesizer, Vocal, Programming

Torma Ferenc – Guitars, Bass, Programming

Winkler Balázs – Keyboards, Trumpet, Percussion, Programming

メンバーチェンジが激しくこのアルバムが発表された96年当時はドラマーが不在だったのでこのような変則編成に。壮大な楽曲を作るため実に20人を超えるゲストミュージシャンが参加しました。現在も太字の三人はメンバーで活動中です。

70年代に倣った古き良きシンフォサウンド


Emerson, Lake & Palmerや中期King Crimsonのような根元に通ずるクラシカルなプログレッシヴ・ロックを基盤にヘヴィなギターリフも聴ける温故知新なサウンド像です。

シンフォニックの話をするとブラス、セロ、ストリングスの旋律美がもはや匠の域に達しておりピーターに関しては映画音楽も手がけるほどシンフォニックの名手。#4「Salto Mortale II」ではジャズやアンビエント的な静寂から突如ヘヴィメタルに展開したり、一昔前の海外コメディドラマのようなドタバタパートを演出したりなど楽曲の中での七変化が名人芸

アルバムは全14曲ですが、うち#2〜7、#9〜13は組曲になっているため実質長編2曲を抱き込んだ全5曲収録。フルオーケストラを鑑賞してるかのような壮大さを堪能できる集大成の一枚です。ラストの曲「Conclusion」はEL&PのKeith Emersonに捧げるトリビュートソングとなっています。

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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