Spock’s Beard「Noise Floor」: 歩みを止めないUSプログレの匠!最新作が傑作すぎる!

ギタリストの関口です。

ようやくSpock’s Beardの2018年作をちゃんと聴けたので今日はそちらをご紹介。Spock’s Beardについても解説します。

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Noise Floor / Spock’s Beard


ノイズ・フロア~音華郷

Spock’s Beard(スポックス・ビアード)は、アメリカのプログレッシヴ・ロックバンド。1992年にロサンゼルスでNeal Morse(ニール・モーズ)とAlan Morse(アラン・モーズ)の兄弟を軸に結成されました。日本人のキーボディスト奥本亮さんが在籍していることでも有名。

メンバー


現メンバー

  • Alan Morse(アラン・モーズ) – ギター
  • Dave Meros(デイヴ・メロス) – ベース
  • 奥本亮 – キーボード
  • Ted Leonard(テッド・レオナルド) – ボーカル・ギター

元メンバー

  • John Ballad(ジョン・バラード) – ベース(-1993年)
  • Neal Morse(ニール・モーズ) – ボーカル・キーボード(-2002年)
  • Nick D’Virgilio(ニック・ディヴァージリオ) – ドラム・ボーカル(-2011年)
  • Jimmy Keegan(ジミー・キーガン) – ドラム(2011年-2016年)

結成当初からボーカルを勤めていたニールが2002年に脱退し一時期はドラムのニックがボーカルを勤めた時期もありました。その後ニックが脱退、新たにジミーをドラムに迎え巡り巡りボーカルはギタリストのテッドへ。現在はジミーもバンドを離れています。

初期は大作志向


初期のバンドはおそらくボーカルのニールが実権を握っていたのか、大作志向の楽曲やアルバムが目立ちます。それを裏付けるようにニール脱退以降、発表する楽曲は比較的コンパクトで粒立ちのいいものが中心となり、以前のようなシンフォニック路線からロックバンドとしての面が強くなります。一方、ソロへ転向したニール側は以前のSpock’s Beardを匂わせる楽曲が依然展開されていて彼の嗜好が色濃く出ていたのだと実感させられます。

正統派プログレバンドとして歩みを止めない姿勢


メンバーチェンジは繰り返せどSpock’s Beardは歩みを止めませんでした。アルバムはコンスタントにリリースされ、ニール在籍のラストアルバムでありバンドとしても転機を迎えることになった2002年発表「Snow」から今作で七枚目。ニール在籍時のリリース枚数をついに上回ります

バンドのメインコンポーザーはいなくなったものの、その分新たな表現の幅を提示し続け、「悪く言えば独裁的でテンプレート感の強いニール・モーズ時代」からよりバンドのアンサンブルや一体感を増しているのはきっと気のせいではないと思います。

最新作Noise Floor


最新作では抜けたドラムのオーディションを行うも適切な人物が見つからず、かつてのドラマーニックがサポートとして参加しています。

楽曲は最長で8分とやはり現代のプログレバンドとしては短めな印象も受けますが二枚組。楽曲の数で一枚に収まらなかったバイタリティの高さを感じさせます

後期のRushを思わせるタイトなビートとヘヴィなギターアプローチ。存在感抜群な奥本さんのキーボードはバリエーション豊かな楽曲の数々に鮮やかな色を付け加えてくれます。変拍子やテンポチェンジなどプログレ的技巧も存分に発揮されていますが複雑さの中にも同居する理路整然さがなんとも心地よいです。個人的にはニール脱退以降最高傑作です!

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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