ポスト・ハードコアの代表Mars Voltaが切り開いた21世紀プログレの幕開け

おはようございます、ギタリストの関口です。

お正月明けと言っても連休が続いたりしてふわふわっとした気分からなかなか抜けられませんよね。自分だけじゃなく周りもそうなのでつい引っ張られがちですがどんなに休みでも毎日それなりに活動してないと人間の体は慣れというものが存在するので極端には生活できないんですよね。

去年iPhoneのカメラが壊れて使えなくなり先日ようやく修理に出したのですが代用機でなんとか家の中ならスマホでインターネットが使える状態です。でも外で道を調べたり電話ができなくてなかなか不便。ついでにLINEをパソコンからしかチェックできないのでついお返事が遅れる支障も…慣れって怖いです。ガラケー時代あれで何をしてたのか全く思い出せませんよね。

楽曲紹介は久々かもしれません、今日はこちらをご紹介。

Deloused In The Comatorium / Mars Volta


Deloused In The Comatorium

Mars Voltaは、アメリカ・テキサスのプログレッシヴ・ロックバンド。ロックをベースにラテンやメタル、デジタルノイズなどを取り入れた前衛的ポスト・ハードコアの代表格。今作は彼らのスタジオアルバムデビュー作。

多様に代わるメンバー


過去のメンバーも含めると非常に多いのですが代表できるのはギター、シンセサイザーなど多くを担当するOmar Alfredo Rodríguez-Lopez(オマー・ロドリゲス)、ボーカルのCedric Bixler Zavala(セドリック)の二人。過去のメンバーの中にはRed Hot Chili PeppersFleeJohn Fruscianteの名前も。

アヴァンギャルドなサウンド


今作のサウンドですが、まさにそのレッチリの二人が参加している作品でプログレッシヴ・ロックもといエクスペリエンス・ミュージックの要素てんこ盛り、古くからの前衛的ファクターを全面に押し出しています。そういうと「理解不能なのでは」「上級者向けの音楽か」と問われそうですが、それは主軸メンバーのプロダクション、そしてボーカルであるCedricの実力の賜物。衝動に駆り立てられたような緩急あるギターと切なく感情的に押し寄せるクリーンボイスがなんともたまりません!

なお本作は主軸二人の友人であるJulio Venegas(1996年に自殺)へ向けたコンセプトアルバムです。#5「Drunkship of Lanterns」の「Heart Of Sunrise」を思わせるリフ、長時間を駆使して徐々に盛り上げる#7「Cicatriz Esp」のカタルシス解放はKing Crimsonの「Starless」までも感じさせました。

アルバムのリリースは2003年。21世紀になり間もなく、全盛期に引けを取らない名盤が生まれたという事実をここに伝えておきます。

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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