USプログレ“影”の立役者、Shadow Galleryが筆者に与えた衝撃。
おはようございます、ギタリストの関口です。
今朝は12月21日に出演するライブの同期を作っておりまして、基本的な打ち込みはメンバーが完成させてくれていたのでそちらの音を作り込む作業です。
同期は4人編成のバンドなどに本来いないシンセやギターのハモりなどをあらかじめ録音、それを流しながら演奏することで演奏時の穴埋めを担ってくれる重要なオケですが、事前に作り込める分望む音を狙っていくのが非常に楽しいです。何より普段考えない音色に触れる機会になります。
そんな影の主役にぴったりのバンドを今日はご紹介します。
Legacy / Shadow Gallery
Shadow Galleryは、アメリカのプログレッシヴ・ロック/メタルバンド。今回ご紹介するのは6枚リリースされている彼らのアルバムの中から2001年リリースの4th。
1984年にボーカルのMike Baker、キーボードChris Ingles、ベース&フルートのCarl K. Jamesによって結成、プログレッシヴ・ロック専門レーベル「Magna Carta」からデビューします。
音楽性
「ロック」と銘打ってますがその実サウンドはハードロック/ヘヴィメタルと言った具合で、「プログレッシヴ・ロック」と言うともっとライトなサウンドをイメージするのでこれは当てはまらないかもしれません。
厚めのコーラスは時期を想定してもKansasやJourneyといったアメリカン・プログレ・ハードからの影響を匂わせます。特にJourney色が強いです。
楽器陣の演奏技術も素晴らしくギタリストGary Warcamp(スペル違うかも)のテクニカルなソロはネオクラシカルを思わせ聴きどころの一つ。
怒涛のインストパート
今作は全6曲。初めと終わりに大作を配し、中4曲は5〜7分のコンパクトな楽曲群で構成されています。ラストの「First Light」は見た目こそ34分という超大作ですが実際は23分(それでも長い)から無音が続きボーナストラックという、昔の洋楽にはよくあった演出。
僕が特におすすめしたいのは1曲目の「Cliffhanger 2 Medley」。こちらは’95年リリースの2ndアルバム「Carved In Stone」に収録された「Cliffhanger」をよりボリュームアップしプログレッシヴに仕立て上げたもの。実質2ndアルバムの続編です。メロウな前半、歌のパートを経て後半はひたすら変拍子とソロの息をつく暇もないほどのインストパートが待ち構えています。最高です。
以前僕が通っていた浅草のTSUTAYAには、その当時HR/HMの棚がありまして片っ端から借りて聴いたりしたものですがその中で出会ったこの曲の衝撃は今でも忘れませんね。
現在のバンド
2006年に惜しくもボーカルのMike Bakerが死去しており、後任を迎えて作られた2009年作を最後にリリースはされていません。バンドは人気や売り上げによって時にひっそりといなくなってしまうものですが僕にとってまさにレガシー(遺産)を遺してくれました。