顕生代の創世。大作志向の実験的ポスト・メタルバンドThe Oceanの最新作をレビュー!
おはようございます、ギタリストの関口です。
現在、年に一度のDTM音源セール「ブラックフライデー」が開催されています。これはDTMをやっている方なら要チェックで普段何万もするプラグインや音源が25%〜100%まで(!)セール特価になっているもの。先日パソコンを新しくした僕にも優しい大胆ウィークです。

今回一押しのシンセ音源hybrid3、無料です!

プログレには欠かせないメロトロン。こちらも無料配布でございます。
他にもドラム音源BFD3が50%OFFだったりアナログコンプが60%OFFとか70%OFFとかとにかく破格です。これを先導して情報サイト運営してくれているゆにばすさんというTwitterユーザーさんがいますので是非チェックを!
Phanerozoic I: Palaeozoic / The Ocean
さて、僕も最新のプログレを紹介しないといけませんね。The Ocean(ジ・オーシャン)は、ドイツのエクスペリエンス・ポスト・メタルバンド。「experience」の意味するところはつまり「実験的な」ということになります。今月リリースされたばかりのこのアルバムは、2004年のデビューから7枚目を数えるオリジナルアルバム。意外にも付けられている邦題は「顕生代~破壊と創生 第一部:古生代」。
メンバー
- Loïc Rossetti
- Jona Nido
- Robin Staps
- Louis Jucker
- Luc Hess
- Nils Lindenhayn
(Wikiより抜粋)
メンバーのNils LindenhyanはVJと呼ばれる、音や映像をアシストするDJに近いパートになります。このVJの活躍によってただのメタルとは形容しがたいニューエイジな香りを漂わせてくれます。
デスとクリーンが調和するクラブ的サウンドメイク
さてその気になる音楽性ですが、基本はデスボイスとクリーンボイスを使い分けるメタルコアとも呼べるサウンド。スピード感はなく変拍子も絡めながらダウナーにずしずしと攻めるメタルです。轟音に身を委ねて揺れるノリがクラブミュージックに近いと思います。曲は長めで9分を超えるものも珍しくはありませんがアルバム全体では50分程度とコンパクトに凝縮されています。
途中、エフェクターなのかプロダクションによる加工なのか、ディストーションを超えデジタルノイズに近いギターが特徴的です。3曲目「Ordovicium: The Glaciation of Gondwana」ではMegadethの「Hanger 18」を思わせるリフパターンも聴きどころ。ギターソロはほぼ皆無です。
おそらく何かしらのコンセプトをもってしているこのアルバム。パート2となる次回作は3年後だそうです。デスボイス系のメタルを久しく聴いていませんでしたが非常にすんなりと受け入れられました。