Circus Maximus「The 1st Chapter」: 謎の一輪車少年!ノルウェー産プログレメタルと「フォロワー」という言葉の話。

おはようございます、ギタリストの関口です。今日はさっそくアルバム紹介に参りましょう!

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The 1st Chapter / Circus Maximus


First Chapter

Circus Maximus(サーカス・マキシマス)は、ノルウェーのプログレッシブ・メタルバンド。パワーメタルとシンフォニックなキーボードと変拍子で攻める人気バンドです。その近い音楽性から「Dream Theaterのフォロワー」と敬称されます。

メンバー


  • Michael Eriksen – Vocal
  • Mats Haugen – Guitar
  • Truls Haugen – Drums, Screaming
  • Glen Cato Møllen – Bass
  • Lasse Finbråten – Keyboard

メンバーもボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボードが各一人ずつというシンプルな構成ですし、デビューに当たってキーボードが交代になる他は皆結成当初からのメンバーという安定ぶりも全盛期のDTを思わせます。

1stアルバムですでに完成されていた


  1. Sin
  2. Alive
  3. Glory of the Empire
  4. Biosfear
  5. Silence from Angels Above
  6. Why Am I Here
  7. The Prophecy
  8. The 1st Chapter

本作は彼らのデビュー作であるこちらは2005年の作品。

当時からその音楽性はすでに完成されていて、初期のDream Theaterを彷彿とさせるメロディックなメロに小気味良く刻まれるギターとシンセサイザーが非常に印象的です。セルフプロデュース作品ですがサウンドにはHelloweenも手がけたTommy Hansenも参加しています。

#1「Sin」や#2「Alive」などバンドのキャリアを象徴する楽曲が早くも並ぶ他テクニカルを存分に発揮したプログレメタルインスト#4「Biofear」、正統派プログレを継承した19分にも及ぶ大作#8「The 1st Chapter」など聴きごたえ十分。

フォロワーという言葉について


「フォロワー」という響きはここ数年のSNS普及で身近に感じられるところがありますが、「紐付けされた似たような音楽」と言えば悪くも聞こえます。しかしそこにはリスペクトが存在していますしそれはこのアルバムを聴けば納得です。

彼らの音楽は単なるコピーや真似事ではなく明確なオリジナルであり、いわば「Dream Theaterが“先人”から進めたプログレメタル」を再び「“Dream Theater”から進め始めた」ということに尽きます。こうしていけば音楽の進化に際限はありませんね。

ちなみに、散々検証もされていることですが、このアルバムのジャケットの一輪車少年は、Dream Theaterの「A Dramatic Turn of Events」のジャケットの少年に酷似していると言われています。


A Dramatic Turn of Events

実は同じ素材サイトから購入されたものというところまで判明しており、ポージングこそ若干違えど海外ファンの検証でシャツのシワの位置なども一致しています笑 僕も初めてみた時おや?と思いましたが、こちらのアルバムの方が6年も遅いリリースなのでDream Theater側が「カブった」ということになります。

どちらが先だから偉いとか後だから偉くないなどといった小さなことは気にしない両者の関係性がなんともほっこりします。

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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