オーディションでマルチエフェクターはNG?
おはようございます。ギタリストの関口です。
昨日の続きで今日は使う機材によって人からの見られ方の話をしたいと思います。
元々コンパクト派だった
学生時代はもっぱらコンパクト派でした。初心者時代にZOOMのマルチを使っていた時期もありましたが、思えば今より性能は当然よくなかっただろうし、マルチならではの音作りの仕方などリーズナブルの影に“その程度の音”という印象しか持てませんでした。
コンパクトの利点は自分のこだわりのエフェクターで究極の音を目指せるそのカスタマイズ性だと思います。何万とある歪みエフェクターの中から自分のプレイスタイルや好みにあったものを選び、時にギターが買えてしまうような値段のディレイや空間系エフェクターを吟味し、重たいとわかっていながらワウペダルがないと落ち着かない体になっていく笑 新製品が出たら試し家にはとにかくエフェクターが増えていくというのはギタリストあるあるだと思います。
またツマミやパラメータがアナログで音作りをイメージしやすいというのもありますね。
一蹴されたマルチエフェクター
これは2011年の夏の話です。
とあるオーディションを受けに来た僕はそこでマルチエフェクターを使う他のギタリストに出会います。彼はとてもうまく、僕だって練習して来たのにここまで違うのかと悔しさを隠しきれなかったときです。オーディションの主催および審査員の男性が言いました。
「君のその足元、マルチエフェクター?ありえないね」
もちろんプレイに対する正当な評価もされていましたが、え、そこ?当時僕はコンパクトエフェクターによるボードを組んでいてその日もオーディションに必要ないのにLINE6のでっかい空間系エフェクターが鎮座していたりしました。でもいい音を作るのにどんな機材を使うかは個人の自由だと思います。しかし、審査員の目にとってマルチエフェクターはタブーだったのです。
逆にプレイに関してダメ出しのあった僕でも足元は褒められました。もうなんのオーディションだかわかりません。
その時の彼が使っていたのは確かBOSSのME-80だったような気がします。
個性を出す手段としてのコンパクトエフェクター
このように、コンパクトエフェクターは個性や主張の強さをアピールできるアイテムでもあります。ライブハウスなどでバンドのギタリストを見てもコンパクトによるボードだと「何使ってるんだろう」と気になりますがマルチは「なんだ〜マルチか」でおしまいだったりしますね。
オーディションの話に戻せば「コンパクトの方が詳しそう」という一種の付加価値を提示できるとも言えそうです。プレイヤーからしてみたらさほど差はないはずなんですけどね。
現在僕が使っているコンパクトのボード。ギタリスト佐々木秀尚さん考案のものがベースで、BOSSのMS-3によって空間やディレイ、細かいプログラムを一挙に補うことができます。
BOSS/MS-3 Multi Effects Switcher ボス マルチエフェクター スイッチャー
マルチエフェクターの良さ
色んなエフェクトが入っているという当然のことは置いといて・・・
マルチはトラブルが少ないというのが個人的に一番優秀な点です。コンパクトですと配線トラブルや電源問題などぬぐいきれない不安要素もありますがマルチはその点安心です。また内臓エフェクターの音も日進月歩、目覚ましい勢いで進化しておりアンプで作った歪みとほとんど遜色ありません。普段GT-100を使用していますが、ライブでもレコーディングでも音に関して何か言われたことはこれまでありません。
価格も最近は機能に比例してインフレしてきていますが、それでも10万円台で向こう何年も困らないサウンドシステムを手に入れられてしまう、すごい時代です。ちなみに上記の僕のコンパクトボードは総額で20万ほどかかってます💦笑
BOSSの最新マルチエフェクターGT-1000。コントロールできる幅が広がりそのシステムにも最新技術が詰まっている。
BOSS/GT-1000 Guitar Effects Processor ボス マルチエフェクター
コンパクトエフェクターの魅力は全ギタリストを虜にします。それはわかります。ですが形や見た目に目を奪われて本来必要な音楽という観点から外れては本末転倒かと思います。コンパクトもマルチも状況に応じて非常に役に立つギタリストの助っ人です。エフェクターに使われるのではなくエフェクターを使う、充実した音楽ライフを送りたいですね!
マルチというだけでダメ出しするような人間て、審査員の資格ないと思いますね・・・