The Sea Within: ダークでエモい!欧米を中心としたスーパープログレグループ2018年デビュー作!

おはようございます、ギタリストの関口です。

今日はこちらのアルバムをご紹介します!

The Sea Within / The Sea Within


The Sea Within (Deluxe Edition)

The Sea Within(ザ・シー・ウィズイン)は2018年に結成されたプログレッシブ・ロックのスーパーグループ。

メンバー


  • Roine Stolt – Vocal, Guitar (The Flower Kings, Transatlantic, Kaipa)
  • Jonas Reingold – Bass (The Flower Kings, Kaipa, The Tangent, Karmakanic)
  • Daniel Glidenlow – Vocal, Guitar (Pain of Salvation)
  • Marco Minnemann – Drums, Percussion, Vocal, Guitar (Plini, Steven Wilson etc…)
  • Tom Brislin – Keyboard, Vocal (Yes, Kansas)

ゲスト

  • Jordan Rudess – Keyboard (Dream Theater)
  • John Anderson – Vocal (Yes)
  • Casey McPherson – Vocal, Guitar (Alpha Rev., Flying Colors)
  • Rob Townsend – Saxophone

ツアーサポートメンバー

  • Casey McPherson – Vocal, Guitar
  • Pete Trewavas – Bass, Vocal (Marillion, Transatlantic)
スポンサーリンク

TFK系列の新バンド


近年、プログレッシブ・ロック/メタルにおけるファミリー・ツリーはより広く枝分かれをし、すでに枝分かれした先の葉は色濃く鮮やかな緑を帯びてもはや大樹となりそうな雰囲気です。

特に多いのが北欧のギターボーカリストRoine Stolt率いるプログレッシブ・ロックバンドThe Flower Kings(以下:TFK)と、それを取り巻く一派。メンバーを入れ替えては新規保存していったようなプロジェクトの多さで欧米のプログレシーンは常に潤っています。

メンバーはロイネを中心に同じくTFKのベーシストであるJonas ReingoldPain of SalvationのギタリストDaniel Glidenlow、プログレ・フュージョンギタリストとして勢いを見せるPliniやSteven WilsonなどのサポートドラマーMarco Minnemann、YesやKansasと言ったレジェンド級バンドのキーボーディストTom Brislinが主要なメンバー。

本バンドのテーマはプログレッシブでありながら、ポップスや映画音楽も混ぜたアートロックに仕上げることが挙げられており、ゲストにはDream Theaterの魔術師Jordan Rudess、レジェンドJohn Anderson、さらにファミリー・ツリーでは親戚関係にあるFlying ColorsのCasey McPhersonなどこれ以上ない力の入れようです。

楽曲紹介


  1. Ahes of Down
  2. They Know My Name
  3. The Void
  4. An Eye for an Eye for an Eye
  5. Goodbye
  6. Sea Without
  7. Broken Cord
  8. The Hiding of Truth
  9. The Roaring Silence (Bonus Track)
  10. Where Are You Going? (Bonus Track)
  11. Time (Bonus Track)
  12. Denise (Bonus Track)

曲のサイズは比較的コンパクトで、最大で14分ほどの長尺曲が一つと行った具合。しかしデラックス・エディションによるボーナストラック5曲を含むと実に12曲77分に及ぶ超ボリュームです。

ロイネの着想の下、多ジャンルを巻き込んだ本作は非常に形容しがたい一枚と言えそうです。

基本はTFKを重厚にカスタマイズしたような音楽性で、プログレッシブ・ロックとメタルの中間にあるよう。重たいドラミングやダークなシンセベースがダウナーな雰囲気に拍車を掛けます。

#1「Ahes of Down」ではそんなTFKとPoSを併せたようなダークプログレを展開、サックスソロにはマルチ奏者であるRob Townsendが参加している他、ワウを効かせたギターソロも痛快です!

続く#2「They Know My Name」は伸びやかでメロディックなサビを有したバラードでSAW系シンセソロとダニエルのボーカルが冬の空っ風のように響く一曲。

個人的にはこのダニエルのボーカルも特筆すべき点。メインボーカルとして肩を並べるロイネとは湿っぽさの点で対照に当たり、#2や#5「Goodbye」などのバラードにおいて切なく叙情的な歌を聴かせてくれます。

全体にダークな印象の強い本プロジェクトですが#4「An Eye for an Eye for an Eye」ではリズミカルなロックンロールも聴けたりなどバリエーションも豊富。中盤以降のジャジーなピアノソロとのギャップが身悶えるほどかっこいいです。

14分の大作曲#7「Broken Cord」にはJohn Andersonが、その後のバラード#8「The Hiding of Truth」ではJordan Rudessがゲスト参加。

複雑性と美しさを兼ね備えた、豪華絢爛かつ優雅なプログレロック作品に仕上がっています。

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

おすすめ

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。