ジャズプログレの元祖カンタベリー・ロック。そして現生種であるThe Tangentが超絶にかっこいい。

おはようございます。ギタリストの関口です。

金土日と3日間ブログお休みさせていただきました。ちょっとしたお仕事がありまして、そちらに集中したかったので。おかげさまで一段落といった感じです!

今日はこちらのバンドをご紹介。

The Slow Rust of Forgotten Machinery /

The Tangent

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The Tangentは、イギリスのプログレッシブ・ロックバンド。結成は2002年。

イギリスのプログレというと、本場というイメージが強くてそれでも僕はアメリカンな方が好きだったりするので比較的イギリスプログレは開拓しないのですが、これはいいです!ジャンルとしてはプログレッシブ・ロックの中でもカンタベリー・ロックに近いみたいです。

カンタベリー・ロックとは


カンタベリー・ロックはイギリスのカンタベリー出身者を中心に結成されたプログレバンドの総称で、そのまま音楽ジャンルとして呼ばれています。地域の名前がそのままジャンルとして派生してるところを察するにかなり音楽的特徴に溢れてると予想されます。

1964年のThe Wild Flowersがその原点とされ後にSoft MachineCaravanなど有名バンドを生み出します。その音楽性はプログレを基盤にジャズやサイケデリックに特化したもので最盛期の70年代において暗く陰湿なプログレッシブ・ロックとは対照的に、明るくポップでテクニカルなサウンドです。

時期から推測するに、五大プログレバンドが築いた本筋のプログレとは別に誕生し派生、その後その音楽性から「プログレの派生」という風にジャンルが集約していったと考えられます。

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そんなカンタベリーに近いThe Tangentはまさにジャズから多大な影響を受けてそうなほどインプロヴァイズに富んだバンドで、アルバムの中では特に2曲目の「Doctor Linvingstone(I Presume)」が顕著です。めちゃくちゃかっこいい!

イギリスのプログレが少し聴きにくいところはインテリジェンスすぎる部分があるからで、ジャンルを発展させていく向上心があっていいのですが常にリスナーも耳をアップデートしないといけないわけで慣れたものを好むタイプの人には向かなかったりします。

僕がそのタイプなのですがこのバンドは久々にヒット。サウンドとしては軽快で手数の多いドラム、印象に残るテーマやメロディを長い曲の中の随所に配しながら時折見せるテクニカルなギターに思わず聴きいってしまいます。

ラップや4つ打ちのダンスっぽいドラムなどバンドの域にとらわれない要素を積極的に採用しているのもポイント。

中核メンバーのAndy Tillisonはキーボード、ボーカル、ドラム、ギターとなんでもこなす現在59歳の大ベテランプレイヤー。イギリスのニール・モーズなのかもしれません。

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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