イントロ15分!?ナイツの漫才にハマった理由

こんにちは、ギタリストの関口です。

実はここ最近プログレの開拓はお休みしていまして、まあいくらプログレが好きと豪語してもそればっかり聴いてちゃ音楽家としての視野が狭くなるってものなので、気持ち的に少し離れる時期というのも必要になります。開拓がないだけでおなじみとなったバンドは聴いてるんですけどね。

そんなわけでiTunes内から、またはApple Musicから気分で色々と聴いているんですが。今、一番聴いているのはなんと漫才や落語。噺家さんの独特のリズムや抑揚は音楽にも精通していると思ってます。音楽を使ったネタだってありますしね。そんな中でもナイツがお気に入りです。

 

ヤホーでおなじみのナイツ


ナイツは2007年ごろ、「ヤホーで調べました」と言い間違えを連発する漫才でテレビを賑わせ一躍有名になりました。中学生のころからお笑いが好きだった僕は、シビアな採点式のネタ番組を主に見ていたのでそれ以降客席が必ず爆笑だとか、満点大笑いだとかっていう茶番ぽいネタ番組にはうんざりしてたんですよね。ナイツもそこの常連でしたし偏見も込みで正直毛嫌いしてました。

 

たまたま見たYouTubeでの漫才


本当にたまたまYouTubeのオススメ動画にナイツの漫才が上がってきてたときです。サムネイルからそれがテレビではなく舞台だということがわかったのでちょっと見てみようと開きました。

かなり衝撃でした。テレビで小ボケを連発していた彼らとは違う(厳密に言えば小ボケを基盤としたスタイルで)緻密な構成のしゃべくり漫才に感服しました。そこからいろんな動画を漁り、ついにはDVDから音声を抽出して毎日聴いているというところまできました笑 なので今日はそこから僕なりのナイツを紹介しようかなと思います。

 

長尺の漫才


ナイツは2002年に浅草漫才協会、2007年に落語芸術協会に入会します。そこでは主にお年寄りを相手にした舞台となりベテランの漫才師や落語家に混じって漫才をやるので15分という長尺を演じきらないといけません。サンドウィッチマンやアンタッチャブルのように破壊力のある漫才コントは長尺には向かず、時事ネタをやるにも切り口や慣れが必要なため彼らは初めの掴みだけで15分をやりきる漫才を模索し出します。

 

独特スタイルの漫才


そうしてできたのがボケの塙さんが言い間違えにより小ボケを連発し相方の土屋さんがひたすらをそれを訂正していくというスタイル。最近ではオードリー、タカアンドトシ、ハライチなど代名詞となるようなハードを作り中身を変えることでパターンを量産する独自の漫才師が非常に多いようです。

そしてひたすらボケまくった漫才を披露したあとオチとしてこのフレーズを使います。「そんな僕たちの漫才を今からご覧いただきたいと思います。」まさか今までイントロだったの?とプログレを聴き始めたころよく思った感想に懐かしくなりました。

 

タブーに触れる漫才


ナイツはよく漫才の中でタブーに触れます。下ネタや逮捕された芸能人、それも性犯罪や薬物という切り口から半ば不謹慎と言われてもおかしくないくらいの勢いで弄っていき笑いに変えます。

それとマニアックな野球や相撲のネタ。正直僕も全然わからない話もちらほらありますが、この野球好きの公言によって東京ドームのナイトゲーム後に漫才を披露するなんてこともあったようです。

お笑いに対して天才だと思いますがあえて好感度より芸を追求することに特化したからこその評価だと思います。

 

終わりに


前にも食わず嫌いはもったいないなんて話をしたかもしれませんが、偏見で固められたナイツは僕にとってまさにその典型でした。

オススメのライブDVDとしては「二人対談」。時事ネタから野球、相撲、タブー、それらに触れつつ前の漫才から切り口を引用する「繋がり」を持たせた構成になってます。

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関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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