広告

Dream Theater – The Astonishingを紐解く。The Neal Morse Bandとの比較。

こんにちは、ギタリストの関口です。

2016年2月にDream Theaterが2枚組の長編コンセプトアルバム「The Astonishing」を発表しました。当時このアルバムが出た時、彼らのそれまでの音楽とはまるで違うという批判これはこれで新しくて好きだというまさに賛否両論が巻き起こりました。

 

僕なりの感想別のコンセプトアルバムとの比較などを書きます。

81+dG3O-P5L._SL1425_

The Astonishingの概要


プログレメタルバンドDream Theaterの13枚目のスタジオアルバム。それまでの10分を超える長尺曲が6〜9曲ばかり所狭しと並ぶ作品とは全く違う、2枚組34曲という明らかな違いが数字だけで見て取れると思う。

ギタリスト、ジョン・ペトルーシのコンセプトの基その34曲で1曲とするような壮大なストーリーアルバムが出来上がった。

ストーリーは音楽が消えた未来のディストピアで、音楽を奏でられる素晴らしい才能を持った若者と国家との紛争や人間模様の後、和解と国家再建へ流れていく、というもの。国民にとって唯一の娯楽である“Nomacs”(ジャケットの宙に浮かぶ球体の機械、ノイズを生み出す)が物語の中心にいるのもポイント。

34曲がDisc1と2の隔たり以外ほぼノンストップで進行していき、様々なテーマを行ったり来たりする。途中Nomacsによるノイズも随所に挟まっている。

 

評価


長らくDream Theaterの作品を待っていたファンにとって長編・テクニカル・ヘヴィメタル全てを一旦脇に置いたこの作品を受け入れることは難しく、戸惑い、意見が二分化した。2010年のマイク・ポートノイ(Dr)脱退からそれでも一応追う形を見せていたファンの中でもこれをきっかけに離れるものがいたことだろう。

しかしそもそもプログレッシブ・ロック対して聴きやすい作品などそうそう存在しない

どのアーティストに置いてもそうだが「この作品は聴きやすい」「この曲ならとっつきやすい」というのはもうすでに聴き慣れたリスナーによる主観だ。よくネットで「名曲による打線」なんてものが組まれてることがあるがそのアーティストの認知度が高いほど結論は出ない。

事実、アルバムは時間が経つにつれ徐々に再評価の兆しが伺え、その美しいメロディライン、ボーカルであるジェイムズ・ラブリエの表現力、作品としての構築美、作品に合わせて制作されたMusicman Majestyの今作仕様のギターなどファンの心を再び取り戻した。

ホームページで登場人物など細かに紹介しアルバムと連動させたスマホゲームをリリースするなど彼らだからできたアプローチが実に現代らしい。

9

 

比較


この手のストーリーアルバムは実は古くからプログレッシブ・ロックならずとも存在していて、過去にはThe Whoの「Tommy」、Pink Floydの「The Wall」などがそれに当たる。近年ではSpock’s Beardの「Snow」、The Neal Morse Bandの「The Similitude Of A Dream(以下:TSOAD)」などある。

今日はその中でも

The Similitude Of A Dream / The Neal Morse Band

Cover-Neal_Morse-The_Similitude_of_a_Dream-1024x1014

を比較にあげたいと思う。個人的にどちらも好きで心苦しいのだが・・笑

The Neal Morse Bandはニール・モーズがソロ活動から発展させ立ち上げたプログレッシブ・ロックバンド。先日ご紹介したエリック・ジレットやDTを脱退したマイク・ポートノイがいることから現在DTにとっても近縁と言っていい。

TSOADは2枚組のストーリーアルバム(元ネタはある)、さらにThe Astonishingと同じ2016年リリース作品のためライバル視してるのではないかと勘ぐってしまいそうなほどだ。なおこちらは全23曲となっている。

初めこのアルバムを聴いた時「The Astonishingより好きかも・・」と思ってしまった。実に軸のブレないプログレッシブな構築の数々、この作品に限って言えばDTよりテクニカルな演奏。この感じでDTも作れなかったのかと一瞬魔が差した僕をどうか許して欲しい。

The Astonishingとの比較は以下の通りだ。

・こちらは天路歴程(てんろれきれい)というプロテスタントの世界でもっとも読まれた宗教書が基のストーリー。DTはオリジナル。

・DTよりプログレでテクニカルな内容

・ボーカルをほぼ全メンバーが行うことで表現力をカバー(むしろプラス)

・メロディラインやテーマのパターンの多さはDTに軍配

・Disc1と2の間も隙間なく繋がっていてシームレスに聴き通せる作り。

言葉がわからない上で聴いた時DTよりもストーリーを感じにくいという点はこの作品の聴きやすさに対する代償と言える。The Astonishingはその点楽曲だけで情景が浮かぶ工夫がいくつもなされている。メロディラインは少ないと言ったがどれも伸びやかで素晴らしい。プログレファン・コンセプトアルバムファンにとって十分発見や気づきに配慮した出来となっている。

 

最後に


かなりレビューぽくなりましたが、以前からこの2枚のアルバムを比べるというのは他ではやっておらずあえて声を上げたかったという思いがありました。

形式やメンバー構成、基となる音楽性は近いのに色味がまるで違う二作品、どうしてもどちらか片方は選べませんね笑

そしてThe Astonishingについては昔からやられていたプログレッシブ・ロックの一つのアルバムの形式としてこういうのがあるのだとそれまで知らなかったファンに思い知らせた作品として功績があります。それら過去の作品を聴いた後で改めて聴いてみてほしいです。

 

以上、ご静覧ありがとうございました。

広告

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

あわせて読みたい

1件の返信

  1. 2018-11-06

    […] Dream Theater – The Astonishingを紐解く。The Neal Morse Bandとの比較。 […]

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。